《MUMEI》
光の剣と時の槍
「皇帝陛下救出大作戦!!」
「行くとしますか!!」
「・・・やれやれ。」
ヒュゴォォ!!
緋の燐光と蒼の燐光を引きながら槍が黒いレールに導かれて空間を打ち貫いて飛ぶ。
バリン!バリン!バリン!!
速度をまったく緩めることなく多重の結界を貫通し、ただ黒のレールが導く先へ。

担ぐように剣を振り上げる。
籠められた魔力は放たれた一撃に勝るとも劣らぬ量。
「エクス・・・」
ダン!!
強く地面を踏みしめる。
槍は目前・・一直線にアルトレアの額を貫かんと一直線に向かってくる。
「カリバー!!」
振り上げた剣を「エクスカリバー」を「クロノ・レベリオン」へと振り下ろす。
彼女が「風姫」の団長となった理由。
彼女自身の能力と「エクスカリバー」によるもの。
神が創ったと呼ばれる聖剣だが・・古い伝説の物となっていく運命だった剣。
コーリア教の聖殿に安置されている岩に突き刺さった古びた剣を抜くという儀式。
国が始まって以来、数千、数万の騎士が抜こうと試みても抜けなかった。
過ぎていく時の中で、古びた剣は忘れ去られ・・その儀式も形だけの物となっていた。
だが、彼女はその儀式でその剣を抜き・・その剣の持ち主となった。
否、彼女以外の者はその剣「エクスカリバー」を持つ事が出来ても役に立たなかった。
彼女の手を離れた瞬間、「エクスカリバー」はただの古びた剣となる。
そんな物、教会も必要無しと判断しアルトレアに剣の所有を認めた。
それ以降、彼女の愛剣となった「エクスカリバー」は彼女の象徴となり、忘れられていた伝説が蘇っていった。
そう、全てを切り裂く光の剣として・・
彩詩が放った「クロノ・レベリオン」を「エクスカリバー」で斬り飛ばす。
ソレがアルトレアの判断であった。
ギィィィィィィィィィィィィ・・・
されど・・「クロノ・レベリオン」も並みの槍では無い。
時を穿つ名槍。
いつから存在したのか、誰が造り誰が使ったのか・・
その全てが謎に包まれている。
確かな事は・・ソレは神代の武器と同等の力を秘めているという事だけ。
ドォォォォォン!!
放たれた「クロノ・レベリオン」に籠められているのは疲労していると言え「想月の槍」と「プリオール」そして、「狂気の深淵」の三人分の魔力。
対するアルトレア、いかに万全とは言え・・自身一人。
決着は、相殺といった形。
「クロノ・レベリオン」に引き摺られるように20メートルほど後退させられただけで、籠められた魔力と勢いを止めたが、「エクスカリバー」に籠められていた力もゼロとなり振り下ろされる。
「噂以上・・ですね。」
「エクスカリバー」を構え直すアルトレアが上空の三人を見上げる横で、「クロノ・レベリオン」が音を立てて地面に落ちた。
アルトレアが後退させられた部分の大地は溝のように抉られ、周囲の者は衝撃の余波に吹き飛ばされている。

「嘘・・止めた!?」
上空で見ていた彩詩が思わず言葉を漏らす。
「・・・だが、相手は混乱している。問題は有るまい。」
「そう言う事。行くよ!!」
ロアが翼を広げ、「クロノ・レベリオン」と「エクスカリバー」の衝突の余波によって開いた空間へと降りていく。
「っと・・一人で行くな!!」
彩詩とハンディングもそれに続く。

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