《MUMEI》
ろくでなし
のんちゃんが小川くんのことを…
意外だったな。


私が中途半端なことしちゃったから・・・


私と小川君のこと知ったら、のんちゃん、どう思うんだろ・・・


あんまり深く考えない方がいいのかな…こういうのって…



あぁ、なんか疲れちゃった。
今日は食堂で晩ごはん食べて帰るか!!

遅くまであいてる学食は貧乏学生の味方!




食堂に入ると見たことある顔が・・・


あれ?鈴木だ。


「まいど〜。ここで晩御飯?」


「お前も?」


「実は小川くんと疎遠になってから食事がすさんでね〜」


「お前、最低だな。少しは自分で作れよ。女だろ」


「そういう自分だって学食のくせに!」


「俺はたまたま!」


「たまたま?何それ?彼女に逃げられたとか?」


さりげなく彼女の有無を探ってみる。


「ま、そんな感じ」


やっぱ彼女いるんだ!
そりゃそうだよね〜
でも逃げられたってこと?


「彼女二人が話し合いしてるから、俺は避難中」


話し合い!?
しかも避難中・・・


「え?状況がさっぱり…」


「女二人が俺の取り合いをしてるってこと」


「取り合いって・・・二股かけたの!?」


「かけたつもりはないけど結果的に…」


「最低!」


「うるせーっ!」


おかしな掛け合いになってしまった。


「で、どうすんの?」


「どうするって、たぶん古い彼女が新しいのを追い出すんじゃない?」


「は?」


「いっつも、そのパターン」


「いっつも?」


「あいつ、強いからなぁ」


鈴木は遠い目をしながら・・・


「古い付き合いなんだ」


と言い、ぽそっと。


「中学から」


と、付け加えた。



「中学から同じこと繰り返してんの?」


「そういうつもりはないけど、女が寄ってくるんだもん」


そんな腹の立つフレーズをにこやかに言ってのける。


「ろくでなしぃ〜っ!!!」


とりあえず鈴木に言ってやった。


「お前は論外だし安心しろ」


私は論外・・・ガクッ
別に期待なんか、これっぽっちもしてなかったけど・・・


こいつはぁぁぁぁ…



少しでも仲良くなろうと努力した自分が恥ずかしい…

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