《MUMEI》 部屋に着いた左近は、ゆっくりと、ゆきの体を布団の上に下ろした。 ゆきの意識は相変わらず朦朧としており、呼吸は乱れていた。 「ん…熱っ…」 ゆきが、苦しそうに呟くのを聞き、左近は無言でゆきのパジャマと下着を脱がした。 媚薬のせいで体に力が入らないゆきは、抵抗しなかった。 むしろ、受け入れるような仕草を、無意識にしていた。 「…可愛い」 ゆきの白い肌とピンク色の突起を見つめながら、左近は上着を脱ぎ、裸のゆきを抱き締めた。 触れた肌から、確かに力がみなぎるのを、左近は感じた。 それよりも、左近はゆきのすべてを自分のものにしたい欲求が強かった。 ゆきを 『新しい性玩具』を。 そういう気持ちだから ゆきの『目』に 左近は『桃色』ではなく『黄』に映った。 『桃色』は『恋心』だから。 左近の好意は、そんなものとはほど遠かった。 左近は、半開きになっているゆきの唇に自分の唇を近付けた。 その時。 『…ろ』 「…?」 左近は首を傾げた。 その声は、ゆきの声ではなかった。 『離れろ!ケダモノが!』 「う…」 次の瞬間、左近は吹き飛んだ。 前へ |次へ |
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