《MUMEI》

双子の左近と右近は、お互いの強い感情を感じる事ができた。

「左近?」

右近は慌てて左近の部屋に向かったが、部屋の障子が何故か開かなかった。

中には、左近と、ゆきがいるはずだ。

「おい?! どうした?!」
右近の声に、左近は答えられなかった。

左近はただ呆然と

目の前で身支度を整えている

銀色の光に包まれたゆきを見つめていた。

虚ろなゆきの瞳の色も

銀色だった。

『これが同じ『守護神』とは…』

銀色の瞳のゆきから出る声は

『男』のものだった。

ゆきはパジャマの上着の最後のボタンを止めると

『お許し下さい、主』

そう言って、ゆっくりと目を閉じた。

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