《MUMEI》
お泊まり会
ついに、のんちゃんとのお泊まり会。


「ご飯どうする?」


「作るの面倒だし、近くの創作料理のお店に行こ・・・」





食事中はのんちゃんの話しにただ相づちを打って、なんとか切り抜けたけど…


きっと寝る前が一番話が盛り上がるんだよね、こういうのって・・・



あ、携帯が鳴ってる。


敦くん?


「あ、もしもし!ごめん今晩、泊めてくれへん?京都で遊んでたら遅くなってしまって・・・」


は?


「泊まる?って友達は?」


「家に帰った」


「は?」


あまりに唐突な話に思わず唖然とする。


「あかんかなぁ…」


あかんかなぁ・・・って。
ちょっと、えぇー、まじでぇー!?
どうしよ・・・


「えっと…実は今日クラスの子が泊まりに来てて・・・友達にも聞いてみるね」


受話器に手を当てて聞こえないようにのんちゃんに話す。


すると、のんちゃんは不思議そうな顔をしながらも、嫌ではないらしい。


「女二人の中で居心地悪いかもだけど、それでいいなら…」


「友達いたんや。なんか悪いなぁ…」


ていうか、のんちゃんがいなかったら泊めないし!



そんな流れで、お泊まり会は三人になってしまった。



のんちゃんが不思議そうに、


「その人、女の子の家に泊まるくらいなら、さっきまで遊んでた友達のとこ行ったらええのになぁ…」


と呟いた…


本当だ・・・。
なんでワザワザ私のとこに…


「ミキティのこと好きなんちゃう?」


「えぇーまさかっ!ちがうよぉー!!」


「だって毎日一緒に通学やろ?」


「それは、たまたま同じ時間帯だから…」


「イケルって思われてるで!絶対に。」


そんだけのことで?


のんちゃんがそんなことを言うもんだから、妙に意識をしてしまい…
その夜は敦くんに対して気がないというのを必要以上に遠回しにアピールしまくった。


結局、その日から敦くんとの通学はフェイドアウトしてしまった。


私のこと…好きだったってこと?


分かりにくぅー!!

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