《MUMEI》 母性本能「ご飯、作ってあげよっか?」 泥酔気味の鈴木を見ていられなくなって言った。 「いらな〜い!」 人の気も知らずにマイペースな鈴木。 「この調子じゃ食べてないんでしょ?」 「いらな〜い」 同じ言葉を何度も繰り返す。 それでも美樹子はどうにかしたいと思った。 「じゃ、外にお茶しに行こう!」 お酒ではないものを飲ませなければと思ったからだ。 「ダルイ」 言うことを聞かない鈴木に苛立ちながらも放っておけない。 これが鈴木の魅力なのかもしれない・・・ 女性の母性本能をくすぐるというか・・・ って、なんで私は分析してるんだぁーーーっ。 私は絶対に鈴木の餌食にはならないもん。 なんて反発しながらも、やっぱり放っておけず・・・ 「じゃぁ、お酒買いに行こう!」 嘘をついた。 しかし鈴木は素直に頷いた。 前へ |次へ |
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