《MUMEI》

「裕斗さー、夏ドラ決まったんだって〜」



「うん、直々に監督からオファーあってさー、あんまり俳優業向いてねーから断わろーと思ったんだけど秀幸が一本位で合う合わねー決めてんじゃねーって言うから、それもそうだなーって引き受けた」




「はー、何て奴!羨ましい、俺はオーディション落ちまくりなのに!俺の方がやってるの長いのに!」



俺はメニュー表を開き、アイスクリーム食べたい!
って言ったら良いよって言われた。


うん、どうせならパフェだな!





「惇はスゲー確率のオーディション出身だし可愛いし仕事なんかこれから幾らだって来るって!」



「…お前スカウトした為我井さん言ってたけど、裕斗は18年この仕事やってきて一番の見っけ物だってさ。
自分から乗っ込んできて選ばれた俺みたいな奴を例えると手の平の中の砂の一粒のダイヤ、スカウトは砂漠の端から端まで歩いてやっと見つける天然のダイヤだってさ…」




「なーんか良く分かんないけどどっちもダイヤなら同じじゃん、じゃー歌は?頑張ってレッスンしてんじゃん」

「…レッスン無しで俺より上手い裕斗に言われるとめっちゃ落ちる、もうほっといてくれ…」

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