《MUMEI》

「ねぇ、これってどういう事?」

私は、晶を

『刃の無い剣』を握り締めた。

『…主が望まなければ、私の刃は生まれませぬ』

「私が?」

私の言葉に答えるように、晶が、黒い柄が脈打った。
(…そういえば)

晶は、以前にも同じような事を言っていた。

(と、言うことは…)

「私は『人の色』を斬る『守護神』なの?」

『いいえ、主』

晶は、私に向かい、信じられない事を言った。

『主は『無限』の『守護神』。主が望めば、斬れぬものなど、存在致しません。
ただし、主が望まねば、私は紙すら斬る事はできません』

―と。

私は驚いて、思わず晶から手を離した。

すぐに晶は、『銀色の男』に戻った。

そして、また、私に微笑んだ。

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