《MUMEI》 「ちなみに、着替えって…できるの?」 『念じれば…』 恐る恐る確認した私に、晶がそう答えたので 私は 使用人の女の人に、『晶の着替えを頼みたいから』と、いくつか通販カタログを持ってきてもらった。 さっき気付いたが 私達がいるのは、初めて私が通された離れのうちの一室だった。 それから、どうやら私は三日ほど眠り続けていたらしい。 とにかく、私は当面の問題に取りかかった。 「晶、これ、できる?」 私は、カタログに載っていた男性モデルの写真を指差した。 『はい』 晶は、 あっという間に モデルと同じ服装になった。 私は、一応晶の服装を確認した。 …下着までは、確認できなかったが。 とりあえず、他は問題無さそうだった。 (良かった) 私はホッとした。 そして、カタログに印を付けると、定期的に服装を変えるように指示した。 『人とは、不便な者ですね』 「…晶は、着替えがすぐできて、便利ね」 私はそう言って、『着替をするから』と、晶に部屋を出るように言った。 晶は『側におります』と言ったが、さすがに恥ずかしかったので、『いいから、外で待ってて』と私は頼んだ。 前へ |次へ |
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