《MUMEI》 「晶。『黒』が見えないんだけど…」 『あれは、『生きている人間』しか持っておりません』 晶は、きっぱりと言い切った。 「…そう」 正直、私は意外だった。 そして、『紫』を見つめながら、 「ところで、今までこんなの、見えなかったんだけど?」 と晶に訊いた。 『主が、正式に『守護神』として、お目覚めになられましたので』 (…と、言うことは、) 「まさか、『これ』も、斬れるの?!」 私が驚くと 「何の話だ」 「あ…」 部屋の入り口に いつの間にか 神君と『姫』が立っていた。 「いつから、そこに?」 「お前の大声が聞こえてからだ。 とりあえずは、元気そうだな」 『小娘。腹は空かぬか?』 (え?) 『姫』の言葉に、私のお腹が答えた。 「…空いて、ます」 私は、赤くなりながら、答えた。 (そういえば…) ずっと何も食べていない事に、今更私は気が付いた。 『まずはそなたが栄養をとらねば、『剣』にも『栄養』は与えられぬぞ』 『姫』の言葉に、私は、晶を見つめた。 晶の『銀色』が薄いのは、『栄養』不足だからかもしれない。 「ごめんね、晶」 私は、思わず謝った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |