《MUMEI》

七生なら出来る。

俺はずっと七生の傍にいたんだ、出来るときとの区別くらいつく。


「先輩、席代わって貰えます?」

余計な気を回すな高遠!

「いや、いいよ」

話すことは何も無い。



「……いいから。」

催促するなよ七生……。俺、七生のそういう顔見せられると構いたくなる。


結局、隣り合わせになっている俺も俺なのだが。



「七生……」

「んー?」

互いに目は合わせない。
要らぬことも口走ってしまいそうだし。

「頑張れ」

「ん。」


「いけるから」

「ん。」

一先ずは1番欲しいであろうエールを贈っておいてやる。

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