《MUMEI》

『お前、俺に何をした。』


紫吾は立ち上がった。


「ん?あなたの記憶を見ただけよ。残酷で悲しい記憶をね。」


「記憶を見るなんて…。」


塁羅は軽く下を向いてしまった。


とても焦っている顔をしていた。


『ふぅーん。お前俺のあの記憶を見たのか。』


「あなたにとって嫌な記憶でしょ。」


黒夜は軽く微笑んだ。

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