《MUMEI》
ウインク
鈴木はすぐに男子に囲まれた。

一ヶ月も顔を出さなかった分、みんなも鈴木に絡みまくる。



「お前、酒臭いで!」

「毎日何してんねーん」


みんなからいじられながら楽しそうに笑ってる。


そんな光景を眺めてたら鈴木が、みんなにバレないように私の方を向いて、すかさずウインク。




???



う、ウインク!?



今のって…



ウインク?



!?


は?


ちょっと、なんでウインクすんのよ…


ドキドキするじゃん!




てか、勘違い!勘違い!


ただノートのお礼って意味よ!


そう、きっとそうに決まってる!




こんなんで浮かれちゃだめなんだから!




え?私、浮かれてる?





「ミキティ、顔にやけてんで…キモいなぁ〜」


のんちゃんが見透かしたように声をかける。



「え?にやけてた?いや、なんだろ?気が抜けたんかなぁ?あ、妄想してて…」

「ミキティアホやなぁ」



自分でもかなりアホな言い訳をしたと思ったが、なんとか誤魔化せて良かった。


もうっ、鈴木が私にウインクなんてするから!?



と腹立ちながらも嬉しさを隠しきれなかった。

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