《MUMEI》
紹介
きっと、他の女の子たちはこんな風に少しずつ鈴木に騙されていくんだ…


って、私は騙された訳じゃないけど…ハハハハハ



さっきのウインクの余韻にどっぷり浸かりたいながらも、おかしなプライドで拒否しようとしたり…



私って複雑ー!!




ふいに同じクラスの山田くんに声をかけられた。


「ミキティ!試験どうやった?」


「え?それどころじゃないよ!」


「は?」


おっと、またアホなこと言っちゃった…


「あぁ、いまいちだったよ」


「俺もー。浪人した上に単位落としたらマジやばい」


山田は二浪しているらしい。



「それより俺と同じ英語のクラスで、ミキティのこと紹介してほしいって言うてるやつおんねんけど…」


わ、私を!?


「どうする?」


「どんな人???」


不細工は嫌だ。


「わりとかっこええで」


なんてアバウトな!


「山田くんのかっこいいって、どれくらい??」


「知るかー!?」


結局、山田くんは仲介するのが面倒だから、二人で勝手に連絡をとって会えとのことだった…


山田くん、なんておおざっぱ…


「ほな坂田に今晩電話するように言うとくわー」


「はーい、よろしく」


坂田くんか…


どんな人なんだろ…

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