《MUMEI》
復活
き、キターッ!!!!

坂田君、私を待たせすぎーーーーーー



急いで携帯を掴んで着信画面を見ると、



『鈴木 貴司』



え、スズキィーっ!?!?


こんなときに・・・

なんてタイミングの悪い男なんだろ。

電話中に坂田君からかかってきたらどうするんよー。

ケチってキャッチつけてないんだからぁー。

もうっ!!



と腹も立ったが、昼間のウインクも気になった。



まてよ、あの意味深なウインクについて・・・電話かも・・・。



「もしもし」


「起きてた?」


「起きてるよ。何か用?」


少し無愛想に答えてみた。


「この間のこと、お礼言っておこうと思って。」


「別にわざわざ電話しなくてもいいのに」


ていうか、昼間に言ってくれればいいのに・・・


「いや、本当に助かったし、ありがとう。」


意外に律儀だなぁ。


「それと・・・実は・・・報告したいことがあって・・・」


私を好きになりましたって報告?
なんちゃって。
あるわけないか。




「俺・・・」


お、告白!?
私のこと好きになっちゃった!?



「詩織とより戻した」




「・・・。」



しおり・・・?


あ、しおりさんね。


古いお付き合いの、あの詩織さんね・・・。




なぜだかテンションがすっごい下がった。

でも悟られてはならないと、思いっきり嬉しそうに言った。



「よ、良かったじゃーん!!!!おめでとう☆」


「お前ならそう言ってくれると思った。」



は?私に一体何を期待してんだ、こいつ。



「一時はどうなるかと思ったけど、これで一安心だね」



それでも期待されていそうな言葉を選んで言った。



「お前にはちゃんと報告しておきたかったから・・・」



そんな報告いらないし。



「はいはい、わざわざありがとう。これからは一筋にね!」


「おぅ!お前もいい加減、男をもてあそぶのやめて一人と真面目に付き合えよ」


もてあそぶ?私が?


「その言葉、そのままお返ししますー」


「とにかく、ありがとな」



結局、坂田君からは電話がなかった・・・

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