《MUMEI》 栄養通された場所は『食堂』というより、『食事用のお座敷』だった。 私達が席に着くとすぐに、一人分のお膳が運ばれてきた。 気をつかってくれたらしく、主食はお粥で、おかずも胃に優しそうなものだった。 他の『守護神』達は、皆、朝食後すぐにそれぞれの役目を果たすために、出かけており、帰ってくるのは夕方になると、『姫』が教えてくれた。 私は、三人の男の『守護神』に会いたくなかったから、安心した。 時刻は午後一時で、神君は既に昼食を済ませたと言っていた。 「…いただきます」 私は、三人に見つめられながら、ゆっくりと、食事を口に運んだ。 晶は、とても安心したようで、そんな私を笑顔で見つめていた。 『食事中は静かに』と施設で言われていた私は、黙々と箸をすすめ… 「ご馳走さまでした」 完食した。 そして 「晶の『栄養』って、どうやってあげたらいいの?」 と、晶に質問してみた。 『主は… 痛いのと 痛くないのとでは どちらがよろしいでしょうか?』 晶の奇妙な質問に、私は戸惑いながら… 「痛くない方、かな?」 と答えた。 (普通は、そうよね?) 痛いのは、誰だって、嫌だろうし 前へ |次へ |
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