《MUMEI》

晶は、『剣』の分身で。

『色』は、会った時から、変わらない。

(大丈夫、…よね?)

神君も、『姫』に同じように『栄養』を与えていると言っていたし。

『主?』

「あ、ごめんね。…はい」
私は、ゆっくりと目を閉じた。

『では…』

晶が、私の肩に手を置いた。

唇に何かが触れた。

柔らかい感触。

(…て)

「ちょっ…んっ…」

口の中に、感じる違和感。
私の舌を絡めとる…

晶の、舌。

「な…に…っ…し」

言葉が続かない。

息が上手くできない。

晶が唇を首筋に移動し始め、慣れた手付きで私の服を脱がし始める。

「ま、待って!」

私が叫ぶと、晶の手がピタッと止まった。

『どうされた? 主?』

「どうって、…いきなり何するの?!」

真っ赤になって抗議した私に、晶は目を丸くした。

そして

『主から、『栄養』を頂いているのですが…』

と言った。

「…『栄養』って…」

(まさか、…)

嫌な予感は、的中した。

晶の答えは

『主の『精気』です』

だった。

「また、それ、…なの」

私は、頭を抱えた。

同時に、これを普通にしている神君と『姫』を想像して…

赤面した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫