《MUMEI》

……佐藤、俺はもう駄目なようです。
君は自分で気がついていないようだけれど相当、物欲しそうな顔をしています。

机から見下ろすとまた格別だ。


そういうの見せられてしまうと俺はついつい、応えてしまう。


キスするとき、佐藤は大人しい。

拳を膝に乗せて固くして、俺が肩に手を回すとびくつく。
いつもの毒舌も塞がり、唇が出来立ての食べ物みたいにほこほこする。

殴りゃあいいのに……。
前に長くし過ぎて酸欠にしてしまったのですぐ離す。


「……っぷ」

半開きの口が唾液で艶めいて何ともエロちっく。

「大丈夫か?おい」

首が据わっていない。
目も虚ろっていて俺が支えてないと倒れそうだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫