《MUMEI》

「加藤、ゴメン!待って!」




「悪いけど処理は他に頼んで!
つか久し振りに会う人間に言う台詞じゃねーよな、お前最低!」



俺は早歩きが面倒になり駆け出した。





「緊張して間違ったんだよー!
なー!
俺の話聞いてくれ〜!」

「ウゼー!ついてくんな!俺に話はねー!」



「頼む、マジなんだから!本気で好きなんだよー!」



「セックスがか!ウゼ!ウゼ!俺は始めからヤりたがる男にはウンザリなんだよっ!
俺は内藤なんか嫌い!終わり!ついてくんなバカ――っ!」





隆志に処理目的で抱かれた事思い出しちゃったじゃんかよ!





なんなんだよも〜!

グイッ!




「やっ!離して!」

「頼むから話聞いて!」



「だからお前なんか嫌いだって!それで終わり! 離せよー!」




力強く肩を掴まれ振りほどけない。あれ?




同じ身長かと思ってたら内藤の方が全然デかい!





「ヤだ!グズッ…怖い…、離して…」


「な…加藤!」




内藤はびっくりして俺を離した。




「ゴメン、怖がらせて…、マジで…ゴメン」



涙を流す俺。




内藤はポケットからハンカチを出して俺の眼元を優しく拭いてくる。




どうしたら良いのか分からないといった表情…。




思わず演技で、泣くふりした俺だけど…。





「…内藤、いきなり襲うとかするタイプ?」

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