《MUMEI》

「まさか!そんな事する奴に見える?」



「…俺内藤の事全然知らねーもん…知るかよ」





「…俺、加藤が怖がる事は絶対しない」



「本当?」


内藤は凄く真剣な表情で力強く頷いた。





「絶対?」




「信用して!加藤の許可がないかぎりキス一つしないでみせる!」




マジか!





何か良い暇つぶし相手に巡り会えた気分!




「…なあ内藤」



「うん…」



嘘泣きの止まった俺を真剣に見下ろしている。




「ここ俺のマンションなんだけど…、中で話さない?人に聞かれたらヤバいし…」




「え?は、入って良いの?」




俺が作り笑いで頷くと、内藤はいきなりその場にしゃがみ込んだ。




「はー…、憧れの加藤の部屋…どんな匂いなんだろ…」





「おい!何かお前怪しいからやっぱ中止!
とっととオモサン行ってクレープでも食っとれ!」






「あ!わっ!待ってよ!加藤っ!!」

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