《MUMEI》

椎名くんは、ゴジラを連れてきてくれた。


すっごく久しぶりに会った気がして、

…うれしくて嬉しくて、思いっきり抱き締めた。


椎名くんの存在を思い出し、
はっとして椎名くんを見上げると、


椎名くんは、どこか遠い目をして、
お店のドアに背を預けていた。



「…椎名くん」



声を掛けると、



「ん、感動の再会はもういーのか??」



と、椎名くんが伸びをしながら答えたので、私は



「ごめんね、つい…」



と、謝る。



「別にいーよ。そいつ全然おれになつかねえし。」



椎名くんは、そう言って小さく笑った。

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