《MUMEI》
「で、何の用だっけか」
「何の用って…」
いや、久し振りに会ったけど…相変わらずスゲー可愛い。
つか、メイク無しでピンクの唇ってありかよ!
サラサラな黒い髪…
大きな黒目…
「はあー、ヤベーよ、加藤相変わらず可愛い…」
「だからそれは聞いた、用ないなら帰れ!」
加藤は突然バッグから煙草とライターを出し、火をつけた。
「え?加藤って吸うのか?」
「目の前の灰皿見えない?つか煙草普通だろ」
「え、俺は吸わない…」
似合わね!
つかショックだ!!
どうみたって年齢より遥かに若く見える童顔な加藤。
しかもあぐらをかいてかなり慣れた吹かし方してるし!
横を向き一気に煙を吐き出し、トントンと軽快に灰皿に灰を落とす。
つかこれ灰皿だったのか!!
パスタ皿かと思ってた!!
「…いくつから吸ってんの?」
「14だったかな、中2から」
だから身長低いんだと言いそうになったが俺は寸前で、それを飲み込んだ。
加藤はもの凄い勢いで吸い終えると、当たり前のように二本目に火をつけた。
「はー!出先じゃ吸えねーからさ、もー生き返る〜!」
「そうだよな、マスコミにでも見つかったら大変だもんな〜」
「ま、俺はあんまり面割れしてねーから本当はいーと思うんだけどさ、とりあえず一応ね〜、事務所もその辺うるせーしさ」
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