《MUMEI》
助け
「涼哉には・・・傷ついてほしくない・・・・」
「えっ??」
「もう・・誰にも・・傷ついて欲しくないの・・・・・・・・・・・・・・・・・友祥みたいに・・・・・・・居なくなっちゃうの・・嫌・・・・」
「俺は居なくならないよ??綾・・俺は大丈夫だから・・・」
「涼哉・・・・・でも」
「待ってろ・・・」



「銀也・・・俺も行く」
「何言ってんだよ・・・お前」
「ダチだから・・・」
「でも・・どうなるかわかんねぇよ??」
「知ってる」
「あいつ・・・やばいぞ・・・」
「分かってる・・・・だからこそ・・俺も行く」
「涼哉・・・・」

「涼哉・・・行かないほうがいいって・・」
燐がいう。
「俺は行くよ。ダチが2人も苦しんでんだぜ??見捨てられるわけねぇだろ」
「ありがとな・・涼哉」
「ありがとう・・・銀也・・涼哉・・・」
「燐も行こう・・・」

 結局3人で銀也の家に行く事になった。


「ただいま・・」
「銀也・・!!燐は・・どこにいんだよ!!」
「連れてきた・・でも・・絶対渡さねぇ」
「何言ってんだよ」
 バン・・。
 銀也が突き飛ばされた。
「さっきから、調子乗ってんな??いい気になってんじゃねー!!」
 俺は奏也に掴みかかった。

 殴り合いになった。

「俺の勝ちだぜ?」
奏也がいった。
「えっ・・」
 ナイフだった。

「涼哉・・危ない・・・」
銀也が叫んだ。

 奏也・・・・・が俺に向かってナイフを向けた。
「やめろ・・・」
 グサ―。
「ぅ・・・」
「涼哉ッ・・・・・・・・・」
「銀也・・・俺・・・」
 
 俺の腹にナイフが刺さっていた。そこから血が沢山出ていた。

 奏也も自分がやってしまった事に気付いたのか、動揺して座り込んでいた。

 燐は泣き崩れていた。

「燐、救急車呼べ・・」
「ぅん・・」

 燐も動揺して救急車を呼べそうに無かった・・。
「携帯貸せよ!!」
「ぅん」


「救急です・・・・・OO町で」

「銀也・・・・俺・・」

 腹痛が襲う。痛いって叫びたいくらい・・。


「涼哉・・・」
「えっ・・友祥?何でここに」
「お前が来たんだよ・・俺のところに」
「えっ?」
「お前は戻るんだ・・これからもずっと俺の分まで生きろ」
「うん、分かった」
 夢の中で俺は友祥に別れを告げた。
 何度も何度も振り返って何度も何でも手を振った。



「涼哉・・・」
「銀也・・・?」
「やっと起きた・・・・」

 俺の周りには銀也と燐と綾と優がいて・・・。

「俺・・・・ナイフで刺されて・・それで・・・銀也が救急車呼んでて・・そんで・・・」
「涼哉は意識が無くなったんだよ・・・」
「俺が・・」
「みんな・・心配してた・・」
 皆の目の周りが赤くなってて腫れていた。


「ごめん・・・・・」
銀也が謝った。
「お前が謝ることじゃねぇよ」
「でも・・」
「生きてんだからさ・・・」
「あぁ・・・」

 病室の窓から空が見えていた。太陽の光が差し込んでいて・・暖かかった。

「友祥・・・」
「ん??」
「夢の中で・・・友祥が出てきたんだ」
「友祥が??」
「友祥が助けてくれたのかな・・・?」
「分からない」
「でも・・・よかった・・・・涼哉が生きてて」

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