《MUMEI》
因果応報
鈴木に電話をしたら、近くでお茶でもしようということになった。





坂田君のことを簡単に説明した。


「で、結局どうしたいわけ?」


「いや、どうって、どうにもならないなぁ・・・って思って」


「よく分かってるじゃん」


え?それだけ?

もっと戦略を一緒に立てたりとか、男心を私は聞きたいんだけど!!!


「お前がしてきたことが、そのまんまお前に返ってきただけだろ」


どういう意味?


「小川とかに思わせぶりな態度とって、飽きたら無視」


「え!?私、坂田君に飽きられたの???まだ一回しか遊んでないし、ほとんど話なんてしたことないのに!」


「少し話して違うって思われたんじゃない?」


えぇーっ、そんなぁー。


「男は勝手すぎる」


「お前もな」


私が勝手?




不満に思っていることが伝わったのか、鈴木は体勢をなおして言った。


「お前も小川と仲良くしようかなぁって近づいて、違うって思ったから離れただろ?」


また小川君の話か・・・


「小川は、お前に好かれてると思ってちょっと本気になった」


そうなんだ。


「そしたら、まだ始まってもないのに、お前は飽きて勝手に無視。」


勝手に無視って私も少しは心が痛んだんだけどな。


「小川には突然すぎて何が何やら訳分かんなかったんじゃないの?」


た、たしかに・・・



「今の私と同じってこと?」


「そういうこと、因果応報だな」





正直びっくりした・・・

まさかこんなところで小川君や敦君の気持ちが分かるなんて。



「因果応報かぁ・・・せっかく好きになれそうだったのに・・・」



「まだまだ出会いはたくさんあるさ」



そうだね、これで終わったわけじゃない。

今年の夏休みは実家で過ごそうかな。

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