《MUMEI》
秘刀
私の剣術の師は人ではない・・・妖怪 鎌鼬

10年前・・・


『鬼羅よ・・・お前にもう教える事はなくなった・・・』

『師匠・・・』

『お前はもう一人でやっていける、俺をも超えてしまった・・・』
私はわかっていた。ここで死合をしなければならない・・・

『鬼羅よ俺の刀がほしいか・・・?』

『・・・はい、出来ることなら・・・』

『フッ・・・そうか・・・ならばお前は俺を殺さなければならん・・・』

私は大きく息を吸い刀をゆっくり抜いた・・・

その死合は・・・
師からの最後の秘技の伝授だった・・・
私はその戦いで両目を失い・・・右腕も失った・・・それと引き換えに秘刀を手に入れた・・・この杖の仕込みの中で師は眠っている・・・


『・・・疾風っ・・・刃っいつまでつけてるの?』

師匠にはもう2匹の弟がいる、疾風、刃・・・

『ケッ・・・なんだよバレちまってるぜ疾風・・・』

『フッさすがだ・・・兄貴を倒しただけはある・・・』

コイツらが現れるってことは、ほとんどいい事はない・・・

『私に何の用なんだい?』

『昨日、何であの男を切らなかったんだ?』

あの男はただ私の戦いを見てただけではない・・・訳ありなようにも思えた・・・。

『・・・切る必要なかったから・・・』

『オイオイ・・・鬼羅、お前の仕込み見たんだぜ!?』

『そうだぜ・・・』

『彼は悪党じゃない!!』

疾風と刃の情報によれば、彼はスラムの中にある格闘技ジムの選手らしい・・・恐らくそこのジムも例の所から借金をしている・・・
『疾風、刃・・・今日の夜そこのジムに案内して・・・いい?』

『わ〜た、わ〜たよ・・・』

『死にたくねぇしな・・・へへ』

その場で私たちはいったん別れた・・・

『ここで一体何が起きてんのさ・・・』

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