《MUMEI》
加藤はふと立ち上がり、くわえ煙草のまま、俺の空になったカップを掴むと、またコーヒーを作ってきてくれた。
−−実は俺、加藤にずっと片想いし続けてきた。
初めて見た瞬間人目惚れしたっつうの?
だって加藤ってすっげーもー可愛い過ぎ!
男でここまで可愛いのって人として反則だよな
まったく世の中の女子が哀れでならない…。
でも同性同士の引け目から告るつもりはまるでなかった。
だって下手に告ったらただでさえ相手にされてないのに口も聞いて貰えなくなったら、もう目もあてられない。
寝る前にベッドの中で加藤を何度抱いただろう。
俺の妄想の中の加藤は自分の足を自分で抱えながら
「いーちゃんの大きいの俺のオシリに挿れて!いっぱいエッチな事して」
って言いながら裸にピンクのエプロンでおねだりしてくる。
「大きくて顎が痛いよー!」
と言いながら頑張ってフェラしてくれたりだとか…。
いや、さっきは現実と妄想がごちゃって大変な失敗をしてしまった。
時々俺は現実と妄想が同時進行する。
「内藤!顔がとろけてる!きしょいからやっぱ帰れ!」
「あ!ハッ!ご、ごめん、考え事してた!」
「はー、多忙で疲れてんじゃねーの?ちゃんと栄養とってんのか〜?だいたい男の俺に告る時点でおかしくなってるぞ、
脳の活性化の為に甘い物食え!つかオモサンなんか行ってねーでゆっくり休め!」
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