《MUMEI》

「……っ、積極的じゃない?」

一泡吹かせることくらいは出来たようだ。

「 腹立ってきて、 藤田ばっかキスしてくるから…………俺はいつもされる方なのかと……嗚呼、支離滅裂」

藤田は真っ直ぐ俺を見ていた。

「……これ、いいなあ。スゲー興奮する。」

これ、とは俺が藤田の腿に結果的に乗っかる体制になっていることを示しているのだろうか。

「されるの、ヤだったら早く言ってくれればいいのに。」

口を突き出したのでやや嫌悪した。

「言うか馬鹿」

藤田は力尽きたのか床に寝そべる。
首と顎の付け根がよく見えた。


「じゃあ、最強のチューするか?」

そう言ってから藤田が両手を結んできた。

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