《MUMEI》

それから宮城さん、堀田さんちへの配達を済ませたけど、

前田さんちから、蓬田は何かを思いつめたように
喋らなくなってしまった。



「…よもぎだ…??」



声を掛けると、はっとしたようにおれに顔を向けた。



「どーした??具合悪ぃのか?」


「ううん!!……ただ―…」


「…?ただ??」



問い返すと、蓬田はおれに向き直った。



「あのね、少し…気になって…」


「…なにが」


「―…前田さん。
何だか、すごく淋しそうだったの。
…何か出来ること、ないかな??」


「…………」



初対面の相手のことなのに。

自分も今大変な目に遭ってるのに。


…すげえな、



その眼差しが真剣すぎて、思わず笑ってしまった。



「え!?なに??何で笑うの〜??
―…あっ!!なんかついてた!?」



慌ててごしごしと顔をこする蓬田。



「…いや、すげえなって思ってさ」



素直な感想を言うと、



「…すごい??えっとー…なにが…??」



と、蓬田は首を傾げた。



「ん??そういうとこが」


「そういうとこって…」


「まー、無理になんかしようとしなくてもさぁ、
…気持ちが大事なんじゃね??」


「…そうかな…??」


「おう!!…よっしゃ、帰って風呂でも…」



…って!!!!



「お風呂…!!」




「どーすんだ!?」

「どうすんの!?」

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