《MUMEI》
帰省
約四ヶ月ぶりに山口に帰ってきた。


やっぱ実家は楽でいいねぇ〜


ご飯は自動的に出てくるし、洗濯もしなくていいしさ〜


久々に幼馴染の加奈とお茶でもするか〜


さっそく加奈を呼び出した。





「ちょっとー、帰ってくるなら連絡くらいしてよ〜」


呼び出しの電話で帰省していることを伝えて、加奈はびっくりしていた。


「お盆に帰ってこようと思ってたんだけどさ、いろいろあって前倒しした」


「いろいろって、あっやしぃー」


京都に行ってからというもの、加奈とはメールはするが、何も報告が出来ていなかったので、お互いに4月からの諸々を一気に話した。


「えぇー、加奈、彼氏できたの!!!げげげげ、先越されちゃったぁ〜」


「こういうのは競争じゃないの」


彼氏ができた加奈の発言は少し大人びた気がした。


「なんか・・・、加奈、大人っぽくなったね」


「え?そうかなぁ。自分じゃ何も意識してないんだけどな」



いや、絶対になった!
というか仕草が色っぽくなった。



それはきっと・・・彼氏ができて・・・私がまだ経験してないことを・・・したから?



チラッと考えて、なんだか負けているような気がして惨めな気持ちになった。



「私も早く彼氏ほしいなぁ〜」

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