《MUMEI》
千切り?
「これは絶対一切り!」
「せめて十切りにしてよ、頑張って切ったんだからさー褒めて!」
「褒めれるか!まあ味噌汁は美味いから許してやる」
しかしキャベツが太すぎて口の中がモソモソする。
でも俺の手作りトンカツは最高に美味い!
「なー、内藤逸樹って知ってる?」
裕斗はビールをグビグビ飲む。
「え、誰?知らね!」
俺もビールをグビグビ。
「…そう」
「何系?」
「アイドルかなあ」
「ハハッ!俺にアイドル聞くなよ〜!吉本と松竹なら完璧だけどアイドルは全然分かんね〜!」
そうだよ、裕斗が知る訳ない!!
お笑いかお笑いかお笑いしか興味ない天然ボケまったり男!
「で?そのアイドル君がどうした?」
「うん、実は俺そのアイドルと付き合ってんだ」
「へ〜!そうなん…
え゛え゛え゛――っ!!」
「そ、そんな驚くなって!」
裕斗は膝立ちで身をのりだしてきた。
「驚くに決まってんじゃん!
つかちっとも聞いてねーし!いつから!」
「今日…、うん、今日…」
「は?今日?」
俺は一連の事を説明する。
裕斗は始め呆気にとられて聞いていたが、俺の話が終わると凄く真剣な表情になった。
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