《MUMEI》

「つ づき…… ちゅ づ…… ……き」





口が離れても舌は付いたままで呂律が回ってない。


声に発しながらするキスは全く別物だ。

「 ン とぉま……」

舌が今までにない動かし方をするし、口が離れる息継ぎの一瞬以外もずっと互いを呼び続けているのは喉の共鳴と舌とで分かる。


自分でも冬磨と呼んで、絡んでみて、されるがままから参加する楽しみを知る。


名前で呼び合うだけだって馬鹿にしていたはずなのに……。

冬磨がキスで声出すなんてよっぽどキてんだ。

…………悪い気はしない。

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