《MUMEI》 疑問ゆきと晶を屋敷に帰した後。 「『姫』。これを、どう思う?」 『少ないかと…』 ゆきが印を付けた日本地図を見た『姫』は、そう答えた。 確かに、印の数は、神を含めた五人に比べて、極端に少なかった。 しかし、神が注目したのは、そこでは無かった。 「違う、色と位置の事だ」 ゆきが付けたのは、四つの印は、全て色が異なっていた。 そして、その位置は 『守護神』が向かう 最も危険な区域だった。 『…これでは、人の役には立ちませぬ』 『姫』の言うことは一理あった。 この区域は、『普通の人間』では、立ち入る事さえ困難だ。 「とにかく、母上にご報告に行くぞ」 神はそれだけ言うと、神楽の元へ急いだ。 『はい、主』 『姫』は、神の後ろから、ついてきた。 もし、これがまぐれで無ければ、ゆきは、火・水・風・地の、全ての資質を持つことになる。 それに、神には気がかりな事がいくつかあった。 『黒』の意味と ゆきが、言っていた『これ』の事だった。 それに、神には、もう一つ、疑問があった。 「…」 神の報告を聞いた神楽は、しばらく無言で考えこんでいた。 前へ |次へ |
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