《MUMEI》

一口。



「―…!!!」



…なにこれ…



「…おいしい!!」


「だろー♪」



―…なんだ、お魚っておいしかったんだ…!!



大きな丼だったけど、私は全部たいらげてしまった。


…太っちゃうかな??



お腹をさすりながらそう思ったけど、


…腹筋、割れてるし。


多分これくらいいつも食べてるよね!!



「あー旨かった!!
じゃあ、また明日からよろしくねぇ〜」



椎名ママが伸びをしながら言った。



「…へ…??何をですか…??」



私が訊ねると、



「…何その敬語。
決まってんでしょ、料理当番!!」



当然、という感じの答えが。



「………えぇ!?」



…私…


私、お料理、ダメなんです…!!!


もし作ったら、殺人兵器になりかねないんです…



「何、いまさら…
―…勇作さんがいなくなってから、ずっとそうじゃない…」



「……!!」



椎名ママはそう言って欠伸すると、

あとよろしくね〜、と言って
寝室に行ってしまった。



…ゆうさく、さんって…??



椎名ママの背中は小さくて、
どこか寂しげだった。

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