《MUMEI》

「寄り掛かるなコラ」

冬磨とはいつの間にか切っても切れない関係になっていた。

「……一限目サボろうかな。」

この不良めが。
学力まで酷似している俺達はツーカーで同じ大学に入った。



「木下先輩達どうしてるのかな……。」

四年生だから就活か……。

「元気にしてたよー。会いたいなら連絡して元放送部員で集まろうか。」

「は、何で冬磨が……」

先輩達と……

「あれ、言ってなかったっけか。木下先輩一浪してまだ三年生なんだ。
いろいろ相談とかも乗ってもらう仲なの。」

それも知らない。


「……いいから学校行け」

「怒ってない?」

聞くんじゃねぇよ。

「学校行きやがれ。」

「綴喜そのままにして行けるか。
木下先輩達と交流してたのは年期入った手本があるとこれからずっと上手くやってくための参考になるからだよ。
そんな相談してたの知られるのなんか恥ずくてつい、先延ばしに……」

照れ隠しにそっぽ向いた。

「ずっと……?」

顔をわざとに覗く。

「そう。ずっと。
…………やっぱ一限目は休む」

抱きしめられた。

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