《MUMEI》

俺達はまだ幼稚園で、かえでと七生が手に負えないやんちゃだった頃。

「二郎、ハンカチ落とした」

小さい頃から乙矢は背が高くてハキハキ物を言う子供だった。

「おつやくん、ありがとうね。」

俺が鈍臭いからよく面倒見てくれていたっけ。
その日、幼稚園で山へ遠足に行ったんだ。

かえでも七生も先生を泣かすくらい暴れ回るので扱いが大変だった。
そんな二人がとても伸びやかに見えて、届かない距離を少しでも埋めようとして追い掛けていたっけ。

二人には当時煙たがられていたようだけれど。


七生とかえでにとって山も幼稚園も変わらないようで相変わらずうろちょろしては怒られて、先生に捕まってた。


紅葉が赤く綺麗な季節だった。

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