《MUMEI》
明日 〈おれ〉
部屋に入ったとき丁度、
勉強机に置いてある携帯が鳴り出した。


ディスプレイには『椎名くん』の文字。



「もしもし??」


『―あ、椎名くん…あのさ、』


「どーしたー??」



応えながら、ベッドの端に腰掛ける。



『あのさ、明日学校じゃない??それで―…』


「…おう。それで??」


『えと、なるべくお互いを確認できるように
行動した方がいいと思うの』


「??なんで?」


『ほら、注意しあえるようにしとかないと、
絶対ボロが出るでしょう??』


「おお!!なるほど」



…やっぱ蓬田、頭いーんだなー!!



『…だけど、あんまり一緒に行動は出来ないから…』


「え?なんで??」


『……なんでって…だって―…』



蓬田が口ごもる。



「……??」


『…だって、ほら、みんなきっと勘違いするでしょ??』


「なにを??」



―…はっきり言ってくんねえと、わかんねー…



『―…だから、私と椎名くんが…
―つ、付き合ってる、とか…
思われちゃうでしょ!?』


「そうなのか!?なんで?」


『そうだよ!!…みんな、そういう噂話は大好きだから…』


「…へー。変なの。
―…まあ、わかったよ。
そーゆーの、めんどくせえし」



学校行くのも一苦労ってやつか。



『…ありがと。―…でさ、』


「…まだなんかあんのか??」



眠くなってきたのに…。



『―…2人のルール、作らない??』

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