《MUMEI》 「ななおくん、あったかい」 首が据わらなくなっていた。俺は七生が風邪気味になり始めていたことに気付かなかった。 「……うるさい」 七生の心地良さを知ったのもこのときだ。 ぐりゅりゅ〜 「……ごめん」 「しょうがないハラは」 ぐりゅるるる 「……ごめんね」 「いまの、オレだよ」 もう、どっちが鳴っているかも分からない。 「アメ、ごめんね。」 「アメはいいから……あまい、におい……」 七生の嗅覚は凄く良い。 俺が指に付着した飴の香料まで嗅ぎ分ける。 前へ |次へ |
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