《MUMEI》
登校 〈私〉
すっきりと目が覚めた。


伸びをして、ベッドから降りる。


ハンガーにかけてある制服を眺める。


…男子の制服着るなんて、初めてだなあ…


って、当たり前だけど。



ハンガーから制服を外してシャツに袖を通す。


と、柔らかくて涼しい匂いが、鼻をくすぐった。




―…何このシャツ…いい匂い〜…




しばらくうっとりした後、
ハッとしてシャツから顔を離した。



―…何コレ!!
お風呂の時といい、今といい…


私、変態みたいじゃん…



気を取り直して、シャツのボタンを―…


って、ボタン逆!?


そっか、男の子のシャツはボタン逆なんだ…


変なトコに感心しながら着替えを済ませると、
身支度を整えて、私は部屋を出た。

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