《MUMEI》

深夜2時過ぎ。
みな出来上がりテンションも高くなる。



「蓮ーーいつになったらキスしてくれるのー?ていうかー早く真由のものになってよーきゃははは」


「真由飲み過ぎだよ!ほら足もちゃんと閉じて。。もうそろそろ時間じゃないの?大丈夫?明日。」 


「わかってるよー。蓮は顔に似合わず堅いこというんだからー。お父さんみたい。」


「せめて兄貴にしてくれよ、、」

「じゃあそろそろ時間だしかえろうかなー!」



VIPに俺が座らせた女のとこには優輝さんが自ら会計と挨拶をしにきてくれる。


「真由さん、今日は随分飲まれたようですが大丈夫ですか? 本日は580万円になります。」


「きゃー!!真由結構つかっちゃった!!!」 


いつもの口癖。
これをきくとせつなくなる。次の言葉がわかる。
[やだーパパにおこられちゃう!]


「やだーまたパパにおこられちゃう!」


ほらな。


金を使うことで親が電話をかけてくる。怒ってくれる。真由のここにいるんだという心の叫び。
かまって欲しいと愛にうえた結果ホストにはまる。


俺たちは金をもらう以上、プロだ。だからこそ同情もしない。惚れない。
同情したり惚れたりすれば客が欲しいものなんてあげれない。
俺達女を食いもんにしてるわけでも金をただ巻き上げてるわけでもねえ。


夢の時間を売ってんだ。

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