《MUMEI》
バーテンダー
大ちゃんと入った店は、洒落たショットバーだった。


「山口にもこんなお店あるんだぁー!!」


「おいおい、山口を馬鹿にすんなよ!ハハハハハ」


お前の地元でもあるだろ!?と言わんばかりに大ちゃんは笑った。


「よく来るの?」


「まぁね」


そう言いながら、私の好みを聞いてマスターにカクテルを注文してくれた。


「これ、すっごい美味しい!なんていうカクテル?」


「スノーボール。アドヴォガードっていう卵のリキュールで・・・・・・」


そのカクテルについて大ちゃんは説明してくれた。


「詳しいんだね」


フフフ・・・
マスターが笑いながら、


「大はここのバーテンだから」


バーテン!?


私の今までの人生でバーテンなんて無縁な職業で考えたこともなかった。


自分の知らない世界で働いて、お酒にも詳しい大ちゃんが大人に見えた。


「大ちゃん、なんだかカッコいいかも〜」


「"かも"って何!?」


大ちゃんが笑い、美樹子も笑い、バカな話をしては笑った。




気づけば美樹子は5杯も飲んでいた。


「美樹ちゃん、ちょっと飲み過ぎ」


大ちゃんが心配して、マスターに、


「俺、ちょっと送ってきます」


と言って、二人で外に出た。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫