《MUMEI》
ファーストキス
大ちゃんは今年の春から実家の近くで一人暮らしをしているらしい。


「良いご身分ですこと」


なんて言いながら大ちゃんの部屋に入ってすぐ、美樹子はずうずうしくも勝手にベッドに横になった。


「飲みすぎてしんどいよぉ〜」


「美樹ちゃんお酒飲みなれてないくせに飲み過ぎ!」




大ちゃんが笑いながら水を持ってきてくれた。


「生き返るぅぅぅ」


少し起き上がって水を飲んだ。





そして水を飲み干しグラスを大ちゃんに渡した瞬間、抱きしめられてキスされた。



ヒャッ、ヒャーーーー
な、なんか・・・これって・・・



大ちゃんはグラスをテーブルに置いて、またキス。そして手が胸に移動する・・・



ど、ど、どうしよ・・・
この流れって・・・やっちゃう?
ていうか初めてなんだけど・・・私。



緊張した美樹子はされるがままに大ちゃんに着ていたキャミソールを脱がされた。



声とか・・・出すべき・・・?
ていうか・・・初体験がゆきずりって・・・



大ちゃんは首筋から胸にかけてキスをし始めた。



ててて、ていうか、初体験ってシーツ汚しちゃうよね!!
終わった後に「初めてだったんだ」なんて言われるかも・・・



そしてスカートの中に手が・・・



こんな初体験が誰かにばれたりしたら・・・
は、恥ずかしいカモ・・・



美樹子は足を開かれ、大ちゃんの指が下着の中に・・・



つ、ついに・・・
てて、ていうか・・・
大ちゃんは鈴木とも加奈とも繋がってるじゃん!!!


ギャーーーーッ
それは、まずぅぅいぃぃぃっ!!!!!



「ダメェーーーーッ!!」



思わず叫んでしまった。


「え?」


大ちゃんはキョトンとしている。



そ、そりゃそうよ・・・。
私がキスしたいなんて言ったから、大ちゃんもその気に・・・

でも、ここで変な恥をかくことは出来ないっ。

大ちゃんごめん!!!



「本当にごめんっ!なんか飲みすぎで気分悪い・・・」



大ちゃんは仕方ないなぁって顔して、


「そっか、じゃぁ横になってゆっくりしたらいいよ」


そう言って、その晩は床に寝てくれた。

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