《MUMEI》 出会い「いってきま〜す」 玄関のドアを勢いよく開けて私は家を出た。 2月下旬。 うぅ〜寒い! ミニスカートにはこたえるな。 流行りの安いギャル服にブーツ。 そのうえに当時ヤンキーのあいだで流行っていたRYUスポーツのベンチコート。 今思えば変な組み合わせだけどその時はそれが かっこいいと思っていた。 私は凍える手をコートのポッケに突っ込んで駅へ向かう。 もう外は暗い。 私、17歳。名前はヨシカ 年齢ごまかしてキャバクラで働いてる。 これから出勤だ。 電車に乗り継ぎ店へと向かう。 今日この日、運命の出会いがあるということを まだ私は知らない。 いつも通り店に着くとタイムカードを押して仲良しグループがいる待機席に座り一服。 「おはよ〜」 もう夜の7時半だっていうのにね。 私たち仲良しグループはみんなで10人くらい。 私以外はみんな18、19歳だった。みんな中卒だったり高校中退だったから私たちにとってこの店が高校みたいなもん。 待機席では化粧をするコ、仲間同士でおしゃべりするコ、コンビニで買ってきたオニギリをほおばるコ。 8時になった。オープンの時間だ。 私が働いてた店は、けっこう有名な店だった。 在籍100人以上、1日の出勤人数は30人くらい。 私は木曜日と店の定休日の日曜以外の週5日働いていた。 別にお金に困っていたわけではなく、単純に仕事が楽しかった。 友達に会える。たくさんの男との出会いもある。プラス金も稼げる! 私はこの店が大好きだった。この頃で働いて半年ぐらいだったかな、仲のいいお客さんはたくさんいた。 ちなみに私はお客さんとアフターしたりプライベートで会ったりした事は数えきれないくらいあるけど一線を越えた事は1度だってない。 私はプライド?ってゆ−か付き合った男以外とはセックスしないって心にきめていたから。チャライ女にはなりたくない。 店が混んできた。いつのまにか酔っ払いボーイに「ヨシカちゃん、あの席ついて」 と言われる。 私はついてた席のお客さんにごちそさまをして言われた席に移動する。 座る前に誰か確認。 5人組か、1人知ってるな。 「おじゃましま−す、あいだ入っていいですか?」と言いつつ5人のうちの若い男2人のあいだに入り、腰を落とす。 右隣りにいる男を見て私は…何かを感じた。 そして落ちた。 一目惚れってヤツ。 これが出会い。瞬間私は恋におちた。 前へ |次へ |
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