《MUMEI》 二回目の悪夢いやだ、死にたくない! いやだ… 「いやだぁぁぁ!!」 「洋平っ!?」 目が覚めると、そこは見覚えのある部屋だった。 司の部屋だ。 「夢…か?」 洋平の体は汗でビッショリ濡れていた。 「おい、大丈夫かよ?」 司が心配そうな顔で尋ねる。 「何かうなされてたよ?大丈夫?」 優香も美樹も、不安げな表情で司を見る。 「ん…あぁ、悪い。起こしちまって…。」 「いや、それは別にいいんだけどさ…。」 「ごめん…ちょっと風呂貸してくんね?汗、気持ち悪いし…。」 「あ、あぁ…。」 司が何か聞きたそうにしていたが、それどころではない。 汗が気持ち悪いのも理由の一つだか、先程見た気味の悪い夢を洗い流したかった。 風呂に入ったからといって、忘れられないだろうが、少なくとも気分はサッパリする。 「サンキュ…。」 司はまだ怠気の残る体を起こし、フラフラと浴槽へ向かった。 前へ |次へ |
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