《MUMEI》
変化
それから、私はいくつか『守護神』の仕事をこなした。

その度に、何故か神君と『姫』が付いてきた。

『あれは、主を監視しているのです』

「そうなんだ…」

だから。

「喋ってないでさっさと終わらせろ」

「あ、はい」

だから…神君は、最近わかりやすい『赤』で、『怒って』いるのだと、私は思った。

きっと、面倒なやつだと思われているに違いない。

それと、私は、神君と過ごす時間が増えたせいか、少しずつ、神君の『すごくかっこいい』という顔が最近やっと見えるようになってきていた。

しかし、他の『守護神』も、私の隣にいる晶も、タイプは違うが美形だったし、何よりも、私は面食いではなかったから、それほど興味はなかった。

(この中にいたら、私は浮いてるんだろうな…)

気になるとしたら、その事くらいだった。

『主?』

「何でもない。いつもありがとう、晶」

私は、心配する晶に、微笑んだ。

『帰るぞ、小娘』

「はい」

『姫』に言われて、私は晶と手を繋ぎ、屋敷の自室を思い浮かべた。

それだけで、私達は部屋に戻れる。

それは、『姫』と神君も同じだった。

(機嫌悪いな)

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