《MUMEI》 二人の騎士。「剣無いのに!!」 即座に「緋ノ櫻」を構えるが・・ 一斉に斬りかかって来る全方位からの攻撃には対応できない。 「ロアのバカァァ!!」 気合(?)一声。 背の翼が弾けるように広がる。 翼は周囲に居たコーリア兵を巻き込みながら暴風を巻き起こす。 ゴォォォ!! 一瞬にして周囲3メートルほどが空白となる。 「その空間が命取りだ!!・・・叩き討て、雷の斧!!アルマーズ!!」 彩詩に向かって地面をも断ち割らんという勢いで雷が地面に叩きつけられる。 「うっさい!!」 「夜霧」一閃。雷の斧は斬り捨てられ、大半を「夜霧」に吸収される。 「道、開けて「夜霧」!!」 吸収された雷をそのまま、解き放ち「クロノ・レベリオン」までの道を抉じ開ける。 「・・・彩、武器無し?」 トン、と着地したロアの周囲を囲む数十の敵。 「・・・ま、いっか。」 「クリムゾン・ローズ」に魔力を籠める。 刀身に幾筋もの紅い線が走り、柄に描かれた紋様がロアの腕と一体化していく。 「ロアのバカァァ!!」 やや離れた所で彩詩の怒号が聞こえる。 「「女」を捨ててる気がするわね。」 嘆息混じりに言う言葉には笑みが含まれている。 「来ないの?待っているのに・・」 クスリ、と笑いを漏らす。 「ま、動けないだろうケド。」 軽やかに、踏み出す足は、一歩目から全力、薔薇の蔓に動きを封じられている者達を容赦なく叩き伏せて行く。 「貴様ぁぁ!!」 斬りかかって来る兵、だがその身にはいつしか薔薇の蔓が絡みつき・・拘束されていく。 「その程度で、私に掛かってくるのは無謀よ。眠りなさい!!」 ゴス! 打撃によって気を失わせる。 「クリムゾン・ローズ」のもう一つの能力、それは魔力の弱い者を束縛、動きを制限するという能力。 発動する範囲は籠める魔力量によって半径1メートル程度から10メートルに及ぶ。 まして、今は「天使の翼」展開状態。 「クリムゾン・ローズ」に籠められる魔力量は・・・本来のソレを凌駕する。 制限する程度だったはずの物は完全に動きを封じるレベルとなり、「魔力の弱い者=コーリア兵ほぼ全て」といった定義に近くなる。 「あ゛〜何か痺れる!!」 彩詩の声に苦笑がこぼれる。 「相変わらず槍は使えないのか・・彩、パス!!」 ポイっと「クリムゾン・ローズ」を空中に放る。 「夜霧」で抉じ開けた空間を疾走し、「クロノ・レベリオン」を手に取る。 「あ゛〜何か痺れる!!」 「夜霧」が解き放った電撃が残っていたのか少し、痺れた。 「・・・・・彩、パス!!」 ロアの声に反応してそちらを見ると、「クリムゾン・ローズ」が放り投げられた。 「だ〜〜!!」 ヒュカン! 瞬時に、「緋ノ櫻」を取り出し、「クロノ・レベリオン」を撃ち放つ。 そのまま跳躍、空中の「クリムゾン・ローズ」を取り戻す。 前へ |次へ |
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