《MUMEI》 紗己さんはいつの間にか、『黄』に輝いていた。 部屋の中にいる人達も、皆『黄』 ただし、暗い要素はない。 彼女達は純粋に『喜んで』いた。 「晶君は、ここで待っててね」 『しかし…』 「大丈夫よ、晶。 待ってて」 『はい』 晶が部屋の外に出るのを確認すると 何故か、歓声があがった。 「あなたと晶君、離れでは大人気なのよね」 (大人気?) 私には、紗己さんの言葉の意味がわからなかった。 「か弱い美少女とそれを守る美形って、ね?」 「か弱い…美少女?」 私は、首を傾げた。 美形は、晶の事だ。 その流れでいくと… (まさかね) 「紗己さん、いいな。ゆき様の世話役って競争率高かったんですよ」 「そうそう。偉そうな他の連中と違って、控え目だし」 「ずっと、お話してみたかったんです、私達」 「え…?」 女の子達が私に近付いてきたので、私はその勢いに思わず後ずさりしてしまった。 「こらこら、怯えてるでしょ。 ごめんね、ゆき。 この子らが、ずっと美少女紹介しろってうるさかったから」 「美少女って、私?」 紗己さんは呆れながら 「そうよ。他に誰がいるの?」 と言った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |