《MUMEI》

紗己さんはいつの間にか、『黄』に輝いていた。

部屋の中にいる人達も、皆『黄』

ただし、暗い要素はない。
彼女達は純粋に『喜んで』いた。

「晶君は、ここで待っててね」

『しかし…』

「大丈夫よ、晶。 待ってて」

『はい』

晶が部屋の外に出るのを確認すると

何故か、歓声があがった。
「あなたと晶君、離れでは大人気なのよね」

(大人気?)

私には、紗己さんの言葉の意味がわからなかった。

「か弱い美少女とそれを守る美形って、ね?」

「か弱い…美少女?」

私は、首を傾げた。

美形は、晶の事だ。

その流れでいくと…

(まさかね)

「紗己さん、いいな。ゆき様の世話役って競争率高かったんですよ」

「そうそう。偉そうな他の連中と違って、控え目だし」

「ずっと、お話してみたかったんです、私達」

「え…?」

女の子達が私に近付いてきたので、私はその勢いに思わず後ずさりしてしまった。

「こらこら、怯えてるでしょ。 ごめんね、ゆき。

この子らが、ずっと美少女紹介しろってうるさかったから」

「美少女って、私?」

紗己さんは呆れながら

「そうよ。他に誰がいるの?」

と言った。

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