《MUMEI》

「あの、この洋服って、どうしたんですか?」

私は、着替え用の洋服の山を見つめた。

「ん?買ってきたんだけど?」

「え? お金、は?」

私の言葉に紗己さんは笑った。

「毎日買ってる翔子様に比べれば、何ともないわよ
ねぇ?」

紗己さんの言葉に、他の人達は深く何度も頷いた。

「さ、それ脱いで、着てみて」

「えっと…」

「女同士でしょ?」

そう言われて、私はゆっくりと服を脱ぎ始めた。

(やっぱり、恥ずかしいな…)

私は、赤くなりながら、下着姿になった。

女の子達が『綺麗』とか『いいな』と囁き合っていた。

「やっぱり、こっちも新しくした方がいいわね」

紗己さんは、新品の下着を私に渡した。

「え?」

「ブラだけ変えてね。シルエットが全然違うから。
それにしても、大きいわよね」

紗己さんは、私の胸を見つめた。

「紗己さんセクハラ」

からかうように女の子が声をかけた。

「うるさいな。さ、ゆき。…手伝おうか?」

「大丈夫」

私は慌てて壁の方を向いて、ブラを外した。

新しいブラは、後ろにホックが三つあって、私は戸惑っていた。

その時。

「おい、仕事だぞ」

部屋の入口から声がした。

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