《MUMEI》
狼狽
服飾の浅井かぁ〜
仲良くなったらイベントでモデルやってよ、なんて言われちゃったりして。

フフフ

きっと友達もお洒落な子とか多いんだろうなぁ〜



美樹子は相変わらず自分にとって都合の良い空想ばかりをしていた。



今まで学内で彼氏を見つけようとしてたのが間違ってたわ。

もっと視野を広く持たないとね!!



そんな時、携帯が鳴る。



『鈴木貴司』



あぁー、鈴木かぁ〜
この間ご飯誘ったのに断られたからテンション下がるわ・・・



「もしもし」


低くだるそうな声で出た。


「寝てた?」


「寝てない。私、今日からバイトで疲れてるんだからね。また暇つぶしとかだったらキレるよ!」


嫌味を込めて言ってやった。


「すっげー、よく暇つぶしって分かったなぁー」


やっぱり暇つぶしか・・・


「バイトってどこで?」


「四条烏丸の日本料理屋」


「日本料理かぁ、遊びに行けねぇじゃん」


来なくていいし。


「あ、そういえば!お前、大ちゃんと会ったんだって?」


ゲッ!?!?!?


「この間、久々に大ちゃんに会ったらお前のこと言ってた」


「な、なんて?」


まさか例のこととか言ってないよね・・・


「泥酔して大変だったって」


そ、それだけ!?


「あ、うん、なんか飲みすぎちゃって・・・ハハハ。私ダサいね・・・」


ボロを出さないようにしなければ・・・


「大ちゃんとこ泊まったんだって?」


ウォォォォォーッ!
それも聞いてるの!?
もぉ、大ちゃん頼むよぉー


「と、泊まったって言うか・・・あぁ、泊まったって言うかも・・・。なんか飲みすぎで気分悪くてすぐ寝たんだけどね・・・ハハハ」


「お前、中途半端なことばっかすんなよ」


ちゅ、中途半端って・・・どこまで聞いたかサッサと言って!


「中途半端?何にもしてないよぉー。やだなぁ〜大ちゃんから何聞いたのか知らないけど、焦らせないでよ!?」


ヤバイ!なんか頭の中、混乱してきた・・・
もう、今日はこの辺で勘弁してぇ〜


「もしかして・・・てんぱってる?プッ」


その通り。かなり狼狽気味です。
もうこの話は本当に終わりたい・・・


「いや私は普通に冷静よ。それより詩織さんって、すごい激しい人みたいだねぇ〜、私ビックリしたよ」


無理やり話題を変えちゃえー!


「詩織?あぁ、どうでもいいよ」


ど、どうでもいい?


「なんじゃそりゃ」


「最近すっげーウザイ」

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