《MUMEI》 司の家の人間を起こさないように、洋平は静かに階段を下りると、そのすぐ隣にある浴室へと入った。 「何だ‥あの夢は…?」 妙にリアル過ぎた悪夢に、気持ちはまだざわついている。 それに首が痛い気がした。 「いや、まさかそんな…ホラー映画じゃあるまいし‥。」 ただの思い過ごしだと自分に言い聞かせ、恐る恐る浴室にある鏡を見た。 「はぁ…。だよな、よかった…。」 いつもと変わらない、うっすら日焼けした自分の首筋が映っている。 「もし手形とか残ってたら、まじでシャレになんねぇもんな…。」 だがやはり気持ち悪い。 洋平は必要以上に、念入りに首筋を洗った。 シャワーを浴びたお陰で、司の部屋に戻る頃には、幾分か気分はサッパリしていた。 部屋では不安げな表情をした三人が待っていた。 「気分はどうだ?」 「何とか…。」 三人を代表した司の問い掛けに、洋平は『大丈夫だ』という意味を込めて頷いた。 そして、先程見た夢の内容を話した。 前へ |次へ |
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