《MUMEI》

俺が付き添い凛香と救急車で病院に着いた。切りかかった子はがたがた震えながら警察にいく。


幸い、凛香は瞬時に体をひねったお陰で重症にはならなかったが、案外深く、右肩から腰にかけて傷痕がのこるそうだ。


「蓮、ごめんね、、、こんなことに巻きこんでしまって。蓮がきてくれてなかったらエスカレートしてもっとひどいことになってたかも。」


「いいよ。でも傷痕、、、、、」


「こんなの気にしないよ!こんなんでへこたれ、、」


凛香のくりくりした大きな目から沢山の涙があふれた。


「怖かったんだろ。いい加減気をはるのやめろ。強がっても無理な時は無理だよ。」


「ヒック。。。。傷、、、傷痕。。。残るって。。。こんなになって。。あたし何のために働いてるんだろ。。。」 


昔凛香が同じ事をいいながら泣いた時がある。
モデルをあきらめ、だまされて風俗で働きだした時だ。

「何のために働いてるか。か。金だけのためならナンバー1張れねえよ?所詮。俺は自分にしか出来ない事で、その代わりに金をもらってる。どっちも自分のためなんだよ。人に必要とされるため。金をもらうため。凛香も、風俗やってみたら案外やりがい見付けて今にいたるんだろ?じゃないと6年間お互いナンバー1は厳しいぜ?」


「昔と同じ事いうんだね、蓮、かわらないなぁー!!」
「やるじゃん?覚えてた?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫